D×Pが取り組む社会課題

10代の孤立

わたしたちが取り組む社会課題は、「10代の孤立」です。
「10代の孤立」は、不登校・中退・家庭内不和・経済的困難・いじめ・虐待・進路未定・無業などによって、
いくつかの安心できる場や所属先を失ったときに起こります。

10代を取り巻く社会課題

  • 不登校の中高生(通信制高校在籍者を除く)

    23.9 万人

    引用:令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査
  • 高校中退

    4.2 万人

    引用:令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査
  • 10代の無業者

    推計 9 万人

    総務省「労働力調査」
  • 子どもの貧困

    子ども(17歳以下)7人に 1

    年間127万円未満で暮らす生活です。手取りで月10万円前後になります。
    引用:2019年 国民生活基礎調査
  • 暮らし向き別の居場所の数

    経済的に困難なほど誰かとつながりづらい

    内閣府の平成29年版子供・若者白書では、「暮らし向きがよくない」と回答する人ほど、居場所だと思う場所の数が少なくなるという結果が出ています。

それぞれの10代の境遇はさまざまです。
経済的に困難な状況にある人、家庭や学校が安心できる場ではない人、
発達障害/学習障害を持っている人など、多様な事情が重なり合っています。
それらの事情によって、孤立しやすい状況が生まれています。

セーフティネットから
抜け落ちやすい10代。

家庭の経済状況は、教育や文化的経験の機会に影響します。居場所だと思える場やコミュニティに出会うきっかけが少ない状況になります。くわえて、過去の経験によるつながりづらさもあります。いじめや人間関係のトラブル、家庭での暴力や虐待・無関心など、さまざまな背景からの心理的ハードルです。これらが重なると、さらに孤立が深まります。

大人のように見える10代。しかし、未成年であることで本人が自力でとれる選択肢は狭まります。彼らが頼れる人とのつながりをなくし孤立した状況になると、社会にあるさまざまなセーフティネットへ辿り着くことも難しくなります。また、危険な大人とつながり事件に巻き込まれてしまうなど、深刻な状況に陥ってしまうこともあります。

Case 01

「家のことをこれまで誰にも話せなかった。もっと前に誰かに話すことができていたら、今こんなふうになっていなかったのかもしれないと思う」という10代のBさん。ユキサキチャットでつながることができました。

小さいころから、家庭内での暴力がひどかったです。小学生の頃、初めて人に辛い気持ちを言えたんですが、「そんなことを外で言っちゃだめ」と怒られてしまいました。人と関わることは苦手で友達と呼べる人はいないですね。

Case 02

Bさんとは、ユースセンターで食事を食べながら初めてスタッフと話しました。半年ほどユースセンターで話をする中で、過去に家族から虐待を受けたり、意見を否定されたりした経験があることがわかりました。本人と相談のうえ、住居探しをサポートしたり、役所などと連携しながら今後の生活について考えていくことになりました。

大人は話を聞いてくれない。グリ下で友達できたけど、家族のこともメンタルもしんどい。寝れてないし、ごはんも食べられない時もあるし、お金ないし、自由になりたい。

大人と子どものはざまにいる10代は、いまあるセーフティネットから抜け落ちやすい存在。身動きも取れず行き詰まる彼らをひとりにしないために、サポートが必要です。

LINE相談「ユキサキチャット」や、繁華街にある「ユースセンター」で彼らと出会い、困った時に頼れる人とのつながりをつくります。

D×Pが目指す社会

ひとりひとりの若者が
自分の未来に
希望を持てる社会。

人には、たくさんの可能性があります。
しかし、環境や周囲の人との関係性のなかで可能性が閉ざされ、
本来持っている自分を発揮できない10代に出会うことも多くありました。

そんな背景から、「自ら這い上がって立ち直れる」という意味でなく
「周囲の人の手を借りて、自分なりの一歩を踏み出せる」という意味をこめました。

子どもも大人も、豊かな人とのつながりを持っていて、
生きていくなかで嬉しいことも辛いこともありながらも、
「まあ、これからも大丈夫かも」と思えるような。
それが、“自分の未来に希望を持てる”ということだと思っています。

わたしたちは、若者がどんな境遇にあったとしても
自分の未来に希望を持てる社会の構造をつくります。

D×Pの活動

定時制高校(オフライン)
オンラインで
10代と出会い、
つながりをつくります。

「学校」と「インターネット」の2つのフィールドで
生きづらさを抱えた10代と出会います

代表メッセージ

想像してみてください。あるふたりの10代の話です。

ある17歳の子は、家のなかでひとりぼんやりと「もう死ぬしかない」と思って寝転がっていた。SNSでその気持ちをふと呟くと「どうしたの?」と声をかけてくれる人がいた。あやしい人だと思ったけれど、相談窓口を紹介された。期待していなかったけど、SNSで簡単にできるし、いいかと思って相談してみると、すぐに返信が来た。学校に行けていないことを話すと、親身になって話を聴いてくれた。誰にも言えなかったけど、ふだん親から物を投げられたり叩かれたりしていることも話すことができた。相談しながら話しているうちに、親と離れて生きていくことも選べるのかもしれない、と思えた。

ある20歳の子は、「家に自分の居場所はない」と思っていた。親は離婚し、新しい父親からは「お前にはできない」と否定され、虐待を受けていた。友だちから誘われた「グリ下」で、同じような境遇の仲間と過ごす時間は、少しだけ気持ちを軽くした。でも、過去の経験がフラッシュバックすることも多く、しんどい気持ちと隣り合わせの日々だった。そんなとき、「タダでご飯が食べられるところがある」と聞き、ユースセンターにやってきた。最初はただ、お腹を満たすためだった。何度か通ううちに、「やりたいこととかある?」と聞かれたとき、半分冗談で答えた。「そんなの、無理だけどね」と言い添えたのに、「一緒にやってみる?」と返された。否定されると思っていたのに、話を聞こうとしてくれる人がいた。真剣に受け止められた。「この人たちなら、私の話を聞いてくれるのかも」と思えた。

この二人のエピソードは、ただの偶然だと思うかもしれません。でも僕は、こんな偶然が生まれる社会をつくりたいと思っています。
D×Pは、10代の孤立を解決するNPOです。若者が何か困った時に頼れる人とのつながりを社会のなかにつくりたいと考えています。2030年度までに、さまざまな境遇で孤立している13-19歳・全国約50万人のうち30%の15万人がつながりを得れる状態を目指します。

D×Pの活動は、皆様からのご寄付が必要です。ともに、10代を支えませんか?
ぜひ、寄付で「ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会」を実現する仲間となってください。

認定NPO法人D×P(ディーピー)理事長

今井 紀明

Noriaki IMAI

創業ストーリー・プロフィールを読む

あなたとD×Pの今後の関わり方

ウェビナーに参加してD×Pをもっと知る

孤立する若者の現状について、理事長 今井紀明やD×Pスタッフが直接ご説明します。参加費無料、毎月開催しています。

D×Pをフォローして最新情報をチェックする

   

最新情報・現場での若者の様子を、各SNSやPodcastで発信しています。フォローして最新情報をチェックしてください。

Top