不登校や中退、困窮など
いろいろある10代の
進路・就職相談。
不登校や高校中退、引きこもり状態、困窮などの困難を抱えた10代がLINEで相談することができる窓口です。本人の望む状態を聞きながら、一緒にひとりひとりに合ったつながりと仕事を考えていきます。
ユキサキチャットは、取り組みに共感してくださる方からの寄付で運営しています。
こんな相談に対応しています
-
転校・編入を
考えている学校に行けない日が続いていて、通信制か定時制高校に転校するのか、中退して働くのかを迷っています。親は「高校は卒業しなさい」としか言わず、学費や手続き、卒業後の進路などのことを考えると転校か働くかを迷っていることも言い出せずにいます。 -
経済的な理由で
進学か就職か迷っているひとり親家庭なので、高卒で就職したほうがいいのか進学したほうがいいのか迷っています。進学できても生活費を稼がなきゃいけないし、ちゃんと学生生活が送れるかな…。どうすればいいですか? -
親に頼れず、生活が不安
アルバイトの給料を生活費にしているのですが、コロナで働く日が減ってしまいました。仕事はなかなか覚えられないし人と話すのも苦手なので、あたらしい仕事を探すのも不安です。親には頼れないので、自分がもっと働くしかないのですが…。 -
どうにか状況を変えたい
進路が決まらず、高校を卒業しました。同年代は今ごろ進学していたり、働いていたりすると思うと、昼間に外に出るのもつらくて。家は経済的に余裕がないので、働いて自立したいと思ってるのですが…。
ユキサキチャットが大切にしていること
-
知ってもらう
不安や困りごとを抱えていても、言葉にするのが難しいことがあります。ユキサキチャットの情報はどんな状態の人にも受け取りやすいように「困っている人」ではなく「不安を抱えている人」など表現を柔らかくしています。主な認知経路は、WEB検索とSNS。2022年は居場所のない若者が集まる、東京の歌舞伎町(通称トー横)にて街頭広告も実施しました。 -
安心して話せる
関係性をつくるひとりひとりに相談に至るまでの背景や考えがあります。「否定せず関わる」を大切にやりとりを重ねます。雑談や相談員自身の経験を話すなど、やりとりする相手が見える対応をしています。また、問題解決を急がず本人が動けるタイミングになるまで待つことも大切にしています。数回のメッセージの往復ではなく、長い方では2年ほどやりとりを続けています。 -
次の一歩を考える
相談される方の希望やありたい状態を尋ね、一緒に次の一歩を考えます。アルバイト先として受け入れができる企業、スキルアップや進学等のための情報提供、奨学金の案内などあらゆる角度から本人にとって必要な情報を提案しています。公的機関や他のNPO団体等と連携し、福祉制度にもつなげていきます。
コロナ禍で困窮する10代への緊急支援
コロナ禍では、保護者に頼れず困窮する10代から相談も受け取っています。支出が収入を上回る「赤字」状態にあるなど支援が必要な場合、食糧支援や現金給付も実施しています。食糧や現金での支援とユキサキチャットでの継続した相談サポートを行ない、就労、福祉や医療などにつないでいきます。
-
現金給付
緊急の場合の一括8万円給付や1万円ずつを3ヶ月など、相談者事情に合わせて給付を行ないます。給付の目的は、生活費、家賃、学費の支払いや、ライフラインの滞納の解消などの支払いに充てることとしています。 -
食糧支援
約30食をすぐに届けます。届ける食品は、パスタやパスタソース、レトルトのカレー、缶詰、お米など。食糧支援を実施する相談者の多くは日用品も我慢していることが多いため、生理用品、ボディーソープなど必要なものがないかを選択式のフォームで尋ね、回答があったものを一緒にお届けします。
相談者の次の一歩
相談の後に、こんな行動へつなげていきました。
- 地域のNPOが運営する場に行った
- D×P図書館に遊びに行った
- 他団体のスタッフとオンラインで話した
- D×Pから紹介した企業にインターンに行った
- 進学先・編入先の資料を請求した
- ライバー(配信者)を始めた
- オンラインプログラミング学習サービスを始めた
- 生活保護の申請をした
- 障害者手帳の取得を行なった
ユキサキチャットの実績
(2017~2021年度)
-
15,326名
-
3,453名2021年度までの累計
相談者の声
自分のことを信じてくれて、応援してくれる人がいるのが嬉しい
D×Pに出会ってから、仕事のことからごはんがおいしいことまで、色々なことを教えてもらいました。相談するときは、何度も話を聞いたり支えてもらいました。ずっと大人のことを信用できなかったけど、スタッフさんはいつも僕の言葉を信じてくれました。自分のことを信じてくれて、応援してくれる人がいるのが嬉しいです。
Aさん
(高校2年生)
(高校2年生)
中学時代に経済的に苦しい状況があり進学について悩んでいた。通信制高校に入りたいという希望があったため、学費のやりくりの相談などを行う。高校入学後、進路相談のなかで「プログラミングを学びたい」という気持ちがあることがわかり、スクールを紹介。そのほか、入学試験や住む場所の相談にも応じた。
自分のお金で自分の欲しい物を買うことを実現させるのが楽しみ
明日から仕事です。初めてのことが多いので、疲れてしまう時もありますが自分の身体を大事にしつつ頑張ります。前から思ってた自分のお金で自分の欲しい物を買うことを実現させるのが楽しみです。応援ありがとうございます!
Bさん
(西日本在住の10代)
(西日本在住の10代)
ひきこもり状態で、ひとりで外に出られないことが続いていた。通常のチャット相談に加えて、オンライン上の対面面談を続け、コミュニケーションを重ねた。D×Pの広報業務の一部を引き受けたことがきっかけになり、ひとつひとつ経験を積み在宅ワークで外資系企業の契約社員になる。
他にもたくさんの声が届いています
相談員が感じるユキサキチャットの価値
日々、若者からの相談対応を行なう相談員にユキサキチャットの価値を聞きました。
「否定せず関わる」を大切にしている
学校やアルバイト先などでのつながりがうすく家庭内での環境も良くない場合、本人の思いを伝える場がない状況となります。関係性があっても、個人的なことは話しづらいという方も多いです。対面で話しづらいところもチャットで気軽に相談できるというのは若い世代にとって大きなものだと感じています。ユキサキチャットは、「否定せず関わる」を大切に相談者と関わっています。支援機関や学校など、どうしても指導的になりやすい立場はあると感じています。もちろん指導的なコミュニケーションを必要としている方もいらっしゃるので、社会のなかで役割分担をしていけたらと思っています。
相談スタッフ(学校での勤務経験あり)
制度のはざまにいる若者の一部をキャッチしている
ユキサキチャットに相談する若者は、制度のはざまにいる場合も少なくありません。障害者手帳の有無や、ひとり親家庭かどうか、収入の要件など”困難さのカテゴライズ”にあてはまればもらえる手当はありますが、彼らが受け取れるサポートはまだまだ少ないのが現状です。 相談業務をおこなっているとD×Pの食糧支援や現金給付は、はざまにあたる方の一部をキャッチしていると感じます。また、学校現場や公的機関はその地域のNPO団体や民生委員など助けになってくれる社会資源を知っていますが、地域や部門を超えた連携にはまだまだハードルがあります。NPOだからこそ、相談者の状況にあわせて公的機関や就労支援・アルバイト先として受け入れができる企業、他のNPO団体等と連携し本人に必要なサポートをあらゆる角度から考えることができます。
相談スタッフ(社会福祉士・精神保健福祉士)
ごはんやお金を届けることがコミュニケーションになる
「もうどこにも頼らない方がいいと思って、最後に連絡しました」とメッセージが届き、状況を尋ねると家族の介護を行なう10代でした。学校、バイト、家族のケア、家のことなどでいっぱいいっぱいになっている様子でした。まずは、1箱すぐにごはんを送りました。その後「ユキサキチャットは、ごはんを送ってくれたから。自分はまだ頼ってもいいのかと思いました」と連絡がありました。やりとりを続けると学費が足りず、このままいくと学校を中退しなければならない状況でした。現金給付で補える範囲だったので、すぐ給付を決定しました。ごはんを届けることができたからこそ、つながり続けることができました。
ユキサキチャット事業部マネジャー
相談体制について
-
さまざまな専門知識や
経歴を持つ相談員が対応相談員には、社会福祉士、精神保健福祉士、キャリアコンサルタント、教員免許保持者などさまざまな専門知識や経歴を持つ人がいます。緊急性の高い相談は、外部アドバイザーから対応方針のアドバイスを受けられる体制をつくっています。 -
多様な事例を想定した
研修の実施高卒就職・児童福祉・性教育・性的マイノリティについての基礎知識・外国籍の子どもたちの現状や対応・やさしい日本語・オーバードーズや自傷行為について・風俗業界の現状など、多様な相談事例を想定し研修を行っています。また、発達障害サポーターズスクールの資格取得も推奨し、受講を必須にしています。
ユキサキチャットに相談したい方はこちら
ユキサキチャットに関する
お知らせ
11/28(木)2団体コラボイベント:オンライン相談だからつながれた!孤立・孤独を抱えている人たちのリアル | |
11/26(火)開催:ユキサキチャット相談員が語る「ユキサキチャットの現状」 | |
株式会社Minato様よりAQUA MARE(アクアマーレ)基礎化粧品を寄贈いただきました | |
TBS NEWS DIGにご掲載いただきました。 | |
MBSニュースにご掲載いただきました。 |
ユキサキチャットに関する
活動報告
-
「親に奨学金を使い込まれる」「夏にエアコンを我慢」チャット相談員が目の当たりにしている若者のリアル
物価上昇が家計を逼迫するいま。困窮し、誰にもSOSを出せない、年を越せるか不安に感じる若者をサポートするために、10月12日からクラウドファンディングがスタートしました。D×PのLINE相談サービス「ユキサキチャット」に […] -
親にお金を取られても、差別されても「自分が悪い」と思っていた……トランスジェンダー男性の和也さん(仮名)が過ごした10代・20代
いまだに同性婚(婚姻の平等)が実現されない日本。2023年6月にLGBT理解増進法が制定・施行されましたが、これが差別禁止法ではなく、差別する側に配慮しているとして、当事者や支援団体からは強い批判が寄せられていました。政 […] -
あなたは、「努力すればむくわれる」と思いますか?
私は10代の頃「日本は努力すれば報われる社会だ」と信じていました。大学受験で合格して大学生になって、毎日楽しく過ごしていられるのは、高校生の時に自分が受験勉強を頑張ったからだと本気で思っていました。だから「正しい方向の努 […] -
不登校への「学校に行かなくてもいいよ」というメッセージにモヤモヤするあなたへ【山崎聡一郎さんインタビュー】
子どもたちが不登校になりやすい、と言われる夏休み明けの時期。近年は不登校への社会的な理解が進んできたこともあり、新学期が近づくと「学校に行かなくてもいい」「逃げてもいい」というメッセージも増えてきたように思います。 しか […] -
週に1回行ってもいい場所ができるのが嬉しい。休職中に出会った新しい働き方。
ゆきのさん(22歳・仮名)からユキサキチャットに相談があったのは2021年でした。就職した後に、連勤が続いたり、休みが少ない中で働く中、ゆきのさんはだんだん会社に行けなくなったそうです。 「朝電車に乗って職場に通っている […] -
「自分以外に適切な判断ができる人がいることがよかった」思いがけない妊娠。生活を支えた食糧支援
ユキサキチャットから食糧を届ける、めぐみさん(23歳・仮名)。18歳の頃に家を出てから、1人で生計を立ててきました。 2021年冬にD×Pの現金給付の記事を見て、ユキサキチャットに登録していたそうです。当時は、緊急事態宣 […]