D×Pタイムズ
D×Pと社会を『かけ合わせる』ニュース
D×P×コンポーザースタッフ

「生徒からもボランティアからも良い刺激をもらえる」元生徒が活動で感じたこと。

郁和さん(23歳)は過去に生徒としてD×Pのプログラム「クレッシェンド」に参加していました。2022年に居場所事業でコンポーザー(ボランティア)として生徒と関わり、4月からD×Pのインターン生として活動に参加しています。

クレッシェンドとは?
認定NPO法人D×Pが通信制・定時制高校で行なっているプログラム。高校生とD×Pのボランティア「コンポーザー」が対話する全4回の授業です。ひとりひとりに寄り添いながら関係性を築き、人と関わってよかったと思える経験をつくります。

生徒時代のクレッシェンドについて「めちゃくちゃ感謝していて」と話す郁和さん。不登校だった時期の経験を経て、郁和さんがどうしてコンポーザーになろうとしたのか。また、現場で感じたやりがいや、得たものについて話を聞きました。

先生と友達のように、次は僕も手助けする立場になれればっていう思いが湧いてきた

ー郁和さんがコンポーザーを志したきっかけを教えてください。

もともとのきっかけは中学生時代に遡るんですけど、当時はサッカー部で土日も試合、朝練はあるし、放課後もずっと練習とかで…それが積み重なって、中1の三学期にちょっと無理だなと思って1回休んでしまったら、そこで学校に行くスイッチがオフになってしまったというか、それで不登校になりました。

それでも不登校の間、ひとりのサッカー部の友達が宿題とかプリントを家に持ってきて、雨の日でも来てくれて、いつもちょっと喋ったりしていました。

それから中3の時の担任が仲の良かったサッカー部の顧問の先生でした。受験シーズンにもなったし、不登校だけど高校に行かないとなぁ…とフワっと思い始めた時に、その先生が放課後に週3回くらい授業をしてくださって、それからちょっと外に出るようになりました。いつも家に来てくれる友達も(その授業に)同行してくれたり、一緒に3人で授業をして、それがとてもありがたくて、すごい恵まれていましたね。

当時はちょっと嬉しいくらいの感覚だったんですが、今ではありがたさを感じるようになってきて、先生の授業や友人の同行がなかったら今はどうなっていたんだろう…って感じるようになってきました。

その体験が自分の中で印象に残っていて、先生と友達のように、次は僕も手助けする立場になれればっていう思いが湧いてきたのがきっかけですね。

※天満橋の景色をみて「綺麗ですね~」と話す郁和さん。

クレッシェンドがあったおかげで一緒に喋れる子が増えて、それは本当に良かったです

ー郁和さんが高校生のときに、生徒として参加したクレッシェンドにはどんな感想を抱いていますか?

僕、めちゃくちゃクレッシェンドに感謝していて。僕が通っていた通信制高校はレポート提出と宿泊スクーリング(宿泊学習)に参加すれば良かったんです。それと学校には3つのコースがあって、各コースごとに通学する曜日が違うので会う日が被らない生徒もいました。

僕も人見知りだったんで、なかなか1年生同士で喋るきっかけみたいなのが全くありませんでした。すれ違っても「顔だけは知ってるあの子だ。」で終わっていましたね。

で、クレッシェンドで初めてみんなで喋ったんですよ。喋ってみたら意外とみんな喋るんですよ(笑)。ただ本当にその一歩がなかなか踏み出せなくて。だからクレッシェンドがあったおかげで一緒に喋れる子が増えて、それは本当に良かったというか、ありがたかったです。クレッシェンドがきっかけで仲良くなれた人もいました。

今はいろんな経験がしたいです。自分の答え探しの旅じゃないけど、そんな感じで生きてます

ーそれからの高校生活はどうでしたか?

それから高校時代はバイト三昧な生活をしていて、卒業まで学校近辺のファミリーレストランで週5〜6日でシフトを入れていました。とにかくお金を稼ぎたいという気持ちが強くて、やりたいことは見つかっていなかったんですけど、お金は何をするにも必要だから貯めれるだけ貯めたいって思っていました。

当時はとてもエネルギッシュで、美容室でインターンしたり、チャレンジ精神に溢れていましたね。そういうこともあってか3年間の中で一番成長を感じた生徒に贈られる賞を学校からいただいて、嬉しかったっちゃ嬉しくて(笑)

ーそれはすごいですね!

けれど卒業する時期にも進路が決まってなくて、先生にも心配されていました。進学は当時考えていなくて。就職先を調べていたけど、自分のしたいことがなくて、そこでスイッチが入らなくなってきて、考えるのがしんどくなってきたというか、自分なりに考えていたけど、やりたいことも全然なくて…。

同級生から新生活の話を聞くと、何もしていない自分と比べてしまって素直に受け止められませんでした。それから体調を崩してしまったのですが、できる範囲で何かやりたいという思いがあり、母校で生徒と関わるボランティアをやってみることにしました。

その活動を続けていると自信がついてきて、だんだんと自分は自分のペースで良いんだって思えるようになってきて、D×Pでコンポーザーもやってみました。

そういった経験があって、自分は人と関わることが好きだと感じました。自分の将来像とかって正確にまだ無い状態なんですけど、4月からD×Pのインターン生として活動しています。この経験を通してやりたいことが明確になれば良いなって思っています。今はいろんな経験がしたいです。自分の答え探しの旅じゃないけど、そんな感じで生きてます。

※「喋るのも好きなんですけど、自分の知らない世界の話を聞くのが楽しいです。」と話す郁和さん。

生徒からもコンポーザーからも良い刺激をもらえる所がやりがいを感じるところ

ー郁和さんがクレッシェンドや居場所事業に参加する中で、印象に残っている生徒はいますか?

仕事への姿勢を話す生徒がいました。その生徒は働いている職場で自分の将来像を描いていました。素晴らしくて思わず拍手してしまったことがあります。

尊敬する先輩がいても真似をするんじゃなくて、年を重ねて立場が上に行った時に、自分流の考えを大事にした上で、尊敬する人の良い部分も取り入れて後輩に仕事のやり方を伝えていければいいなって話していて、僕と歳が近かったのもあって、心に残ってるし、学びになりましたね。

ー一緒に現場に参加していたコンポーザーはどういった人が多かったですか?

学生から社会人まで、色んな人がいましたね。僕はコンポーザーの印象って大学生が多いイメージだったんです。というのも自分が生徒としてクレッシェンドを受けていた時のコンポーザーはほぼ大学生だったので、現場に行って少し驚きました。

現場では僕より年上で社会人のコンポーザーの方々と話す機会も多かったです。僕よりも長く生きて、いろんな経験をされてきた先輩なんで、みんなの話は聞いていて面白かったですね。

生徒だけじゃなくコンポーザーの仲間と出会うことができて、話せることも良いところですね。なかなか出会えないですからね。学生だったり社会人だったり、それぞれ違う職業に就いていたり、同じような人がいない。関わることが思ってた以上に面白かったです。そんな感じで生徒からもコンポーザーからも良い刺激をもらえる所がやりがいを感じるところかな。

ー郁和さんがコンポーザーの経験を経て得たものは何ですか?

D×Pが大切にしている関わり方の姿勢がより意識づけられる部分ですね。僕も元々からそういった姿勢は意識していましたが、それがより意識づけられるというか、コミュニケーションの取り方の幅が広がるっていう感じでしょうか。

※D×Pが高校生ひとりひとりと対話するために大切にする姿勢

今までそういった関わりをしていなかった人でも、このようなコミュニケーションの方法も楽しいなって感じられる機会になると思います。関わり方の姿勢を身につけることって、すごい良いことだなと思っています。

高校生ひとりひとりと“つながり”をつくる。D×Pで、コンポーザーとして活動に参加しませんか?

D×P(ディーピー)は、10代の孤立を防ぐNPOです。

「10代の孤立」は、不登校・中退・家庭内不和・経済的困難・いじめ・虐待・進路未定・無業などによって、いくつかの安心できる場や所属先を失ったときに起こります。

D×Pは、定時制高校での活動とオンラインでの活動を掛け合わせ、10代とつながります。日常的な雑談から、生徒の困りごとを拾いサポートにつなげる学校での取り組みと全国から気軽に相談できるLINE相談で10代の孤立を防ぎます。

ひとりひとりの若者が、どんな境遇にあったとしても、
つながりが得られる状態をつくる。これがD×Pの取り組みです。

ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会をともにつくりませんか?

コンポーザーとして活動に参加する


Share

Top