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「苦手やったことを経験してみたい」カレー屋さんでの仕事を体験しました!

2021年6月28日(月)、大阪府内の定時制高校に通うYさんとカレー屋さん「nimo alcamo(ニモアルカモ)」様に仕事体験ツアーに行きました!

仕事体験ツアーは、高校生ひとりひとりの希望や状態に合わせた「働く具体的なイメージを持てる機会」として、パートナー企業の方々と一緒につくる職場見学やインターンシップ企画です。

Yさんの仕事体験ツアー内容

訪問先:nimo alcamo
事業内容:カレーの販売
実施内容: オープン準備、接客業務、キッチン業務

「(働くイメージは)しんどそう」「仕事覚えられへん気がする」

Yさんは高校1年生の頃からアルバイトへの就労を検討し、D×Pスタッフと居場所事業で一緒に求人を探すなどもしていましたが、「元々対面で人と話すのが苦手だから怖い」「仕事覚えられへん気がする」「なんとなく応募するのが怖い。初めてやることやし怖い」と話し、今までアルバイトに応募したことはありませんでした。

そこで今回、「1回体験してみるのはどう?」と聞いたところ参加を希望したので仕事体験ツアーに参加することになりました。

飲食店でのキッチンのアルバイトを考えているということだったので、今回はカレー屋さんでの実際の仕事を体験できる機会として、オープン前の店内の準備、接客業務、キッチン業務の体験を行ないました。

「苦手やったこと、やったことないことを経験したい」

お店に入り、店主の古市さんとスタッフのおすずさんと自己紹介をしたのち、古市さんから「今日の目標はなんだっけ?」と質問がありました。

それに対しYさんは「今までバイトしたことがなくて。飲食のバイトは人と話すのが苦手だから避けてきた。でも今回、今まで苦手やったこととか、やったことないことを体験して、こういう感じなんだなと体験したい」と自身の言葉で答えていました。

事前にチェックをつけた希望する体験業務内容が書かれたシートを見ながら、実際の体験内容の説明を受けました。

「今のところ大丈夫」

説明を受け、オープン準備から開始することに。早速エプロンに着替え、古市さんから作業の説明を聞き、店内の床に掃除機をかける作業に取り組みました。

途中古市さんが店の外で別の作業をしている間に自身の作業が終わったYさんは、休むことなく「あの、終わりました」と自ら古市さんに声をかけにいき、次の作業の指示を仰いでいました。

次に、テーブルや感染症対策として設置されているパーテーションを消毒し、拭く作業に取り掛かりました。テーブルの上の物を1つ1つ動かし、隅々まで拭いていました。

作業の合間に「こういう掃除とか、拭く作業はどう?」と声をかけると「今のところ大丈夫」と目を見て頷いていました。

キッチン業務は皿洗い、皿ふき、ドリンクを作ることなどに取り組みました。途中拭いた皿をしまう場所が分からなかった時は「すみません」と自分からおすずさんに声をかけ、皿を置く場所を聞いたり、保存容器のみぞに入り込んだ水分まで丁寧に拭き上げたりしていました。

Yさんに「めっちゃ丁寧に仕事するやん」と声をかけると「やったことないことやからどれくらい手を抜いて良いか分からんくて」と話していました。

後半からは接客業務も体験しました。来店したお客さんにお冷や注文されたカレーを席まで運びました。おすずさんから指示を受けると、両手でお皿を支え、お客さんに声をかけ、提供していました。

また、事前に希望していた体験内容にはありませんでしたが、おすずさんがYさんに「注文取ってみる?」提案され、それに対してYさんも少し考える時間を取った後軽くうなづいたので、D×Pスタッフを相手にして注文を取る作業にも挑戦することになりました。

Yさんは眼鏡をかけ、おすずさんが注文の取り方など作業の説明をしている所をじっと見ていました。実際に注文を取る際は、何度も確認しながら席番号と注文をメモしたり、分からないことがあった際はおすずさんを呼びに行っていました。

最初はおすずさんとの会話もぎこちない様子でしたが、中学の部活のことなど雑談も交えながら仕事をやっていくうちに、だんだんと慣れてきたのか時折笑い合いながら取り組んでいた様子が印象的でした。

「皿洗いは楽しかった」

体験を終え、まかないをいただいた後に振り返りをしました。

「体験した仕事に関してはどう感じた?」と質問をすると「皿洗いは楽しかった。ずっと手を動かしながらできることがいいんかな」「接客はすごい緊張した。怖かった」と話していました。

他にも「自分が思ってた以上に大変だった。小規模なんやろうけどめっちゃ忙しいなと思った。こんな忙しいことあるんやってびっくりした。たまに自分も外食行くけど働いてる人たちすごいなぁと思った」と少し笑いながら話していました。

帰り道では、「バイト、飲食でもできそうかも」「店とか働いてる人の雰囲気とか大事やと分かった、これからバイト探す時は1回見に行ったりしてもいいかも」と話していました。

また、後日書いてもらったツアーのアンケートには、「慣れたら接客も案外できそうと思った。接客でもバイト探してもいいかも」と書いていました。

nimo alcamo様にも話を聞いてみました!

最初は、緊張から恐る恐る作業をしている印象でしたが、慣れてくるとだんだん表情が柔らかくなり、笑顔も出始めてきました。主に、食事後の食器を下げ→洗い物、の流れをやっていただきました。

徐々に、洗う順番を考えながら効率も頭に置きつつ実施できるようになったりと、短時間での成長も見てとれました。チャレンジしてもらったカレーの提供も、不安がありつつも前向きに頑張ってくださって、とても素敵だと思いました。この日の経験が、少しでも今後のヒントになれば、私も嬉しく思います。


 Yさんは当初、「人と話すのが苦手」「なんとなく応募するのが怖い」と話していました。でも、今回のツアーで実際に仕事を体験する中で、「皿洗いならできるかも」と自分が出来そうな仕事を見つけられたり、苦手意識を抱いていた接客に対しても、できるかもしれないというふうに話していました。その後、実際に飲食関係のアルバイトに申し込みをしていました。

高校生の受け入れをしてくださったnimo alcamo様、当日引率をしてくださった先生、関係者のみなさまありがとうございました。


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