誰もやらないことに名前をつけたら仕事になった。正田圭、プロ奢ラレヤーが「だれもやらないをやる」を語る。
「好きなことで、生きていく」
これは、好きな動画を撮って生計をたてるYouTuberを指した言葉として世に知れ渡った。
最近では、自分の好きなことを書いて生計を立てるブロガーや、会社組織に属さず好きな案件をこなすフリーランスエンジニアなど、好きなことで生きていく人たちの姿をSNS上で見る機会が増えてきたような気がする。
じゃあ、ぼくの好きなものは何だろう、と考えた時、「たぶんこれが好きかなぁ」と、なんとなく思い浮かべるものはあったりする。
でも、「この好きなことを仕事にできるだろうか。お金にできるだろうか」と考えれば考えるほど難しい気がして、「好きなことで生きていくなんて無理だよなぁ」と思ってしまう。
そんなことを考える人は少なからずいるのではないでしょうか?
認定NPO法人DxPでは、2018年7月17日(火)にトークイベント「だれもやらないをやる ー人生のブルーオーシャンを見つけかたー」を開催。
ゲストには、「だれもやらないこと」をやっていたらシゴトになっていたお二方を迎えました。
連続起業家 正田圭さん、人の金で生きる プロ奢ラレヤーさんの2名です。
認定NPO法人 DxPの今井紀明をモデレーターとし、彼らが今の活動をはじめたきっかけや、だれもやらないこととはどんなことなのか、についてお聞きしました。
今回は、そのイベントのレポート記事をお届けします!
当イベントは、Twitterのハッシュタグ #だれもやらないをやる にて会場のみなさんに感想をツイートしていただきました!合わせてご覧ください。
今回の登壇者
正田 圭(まさだ けい)
15歳で起業。インターネット事業を売却後、M&Aサービスを展開。事業再生の計画策定や企業価値評価業務に従事。2011年にTIGALA株式会社を設⽴し代表取締役に就任。2017年12月より、スタートアップメディア「pedia」を運営。
プロ奢ラレヤー
今井 紀明
経済困窮、家庭事情などで孤立しやすい10代が頼れる先をつくるべく、LINE相談「ユキサキチャット」や定時制高校での授業や居場所事業を行なう。10代の声を聴いて伝えることを使命に、SNSなどで発信を続けている。
プロ奢ラレヤー「誰もやってないことに名前をつけると、仕事っぽくなる」
まずはモデレーターの今井から、「どういうきっかけで、今やっていることにたどりついたのかな?」と2人に質問を投げかけます。
プロ奢ラレヤーさんは、「もともとは何もしたくないと思っており、何もしないことに仕事っぽい名前をつけた」と語ります。
プロ奢ラレヤー:もともとは何もしたくないと思っていた。でも、何もしないこと・無駄なことは、結構大事で価値があるなぁと思った。
誰もやってないことに名前をつけると、仕事っぽくなる。「何もしていない感覚でやれること」を見つけて、それに仕事っぽい名前をつけたら何もしないで生きれるじゃん。
正田圭:ぼくは、単純に昔からお金が欲しくてたまらなかった。私立の中高一貫校に通っていた時、周りはお金持ちの家庭が多かった。彼らと一緒に遊ぼうと思うとお金がかかるので、お金が欲しかった。「一番効率よく早く、たくさんお金が稼げる仕事はなんだろう?」と考えた時、「起業して作った会社を売ればいいんだ!」と思いつき、今に至る。
今井:正田さん、会社を売買することに目をつけたのはなぜ?
正田圭:会社を売買するときの税金の安さに目をつけた。お金持ちになる方法をずっと考えていて、日本で稼ぐなら税金が安いことをやらないといけないと思っている。会社を売ったときの税金は20%しかかからないので、起業して会社を売る、ということにたどり着いた。
好きなことを見つけるための方法は、暇つぶしにヒントがある!?
プロ奢ラレヤーさんからは、「暇つぶしを繰り返していたら、自分が好きなことが見つかる」とお話をしていただきました。正田さんも、起業家は暇が重要。暇な時間に事業を生み出していく、と語ります。
プロ奢ラレヤー:暇つぶしにやることは、自分が本当にやりたいことに近い。ロジックはないけど。例えば、暇だから東大目指して勉強しよう、暇だから格闘技しよう…みたいな。暇つぶしを繰り返していったら、暇な時これやるからたぶんこれが好きなんだろうな、と見つかる感じ。
正田圭:起業家はぜったいに暇。その暇が事業を生み出す。1社目を起業した時(15歳の時)は一番暇だった。
プロ奢ラレヤーは「働きたくない」という若者に何と声をかける?
認定NPO法人 DxPでは、さまざまな生徒から働くことについて相談を受けます。なかには、「働きたくない」と答える生徒もたくさんいます。そんな生徒にプロ奢ラレヤーさんはどんなメッセージを送るのか。
今井から、「働きたくないという若者にどんな言葉をかける?」とプロ奢ラレヤーさんに質問を投げかけます。
プロ奢ラレヤーさんは、働くの定義がわかっているかどうかが重要、と語ります。
プロ奢ラレヤー:大事なのは、「働く」の定義が重要。働く=いやなこと、ならやめればいいと思う。
「働く」ってどういうことなのか?「働きたくない」ってどういうことなのか?それを本人が理解すると、これをやればいいかな、というのが見えてくると思う。
正田さんのだれもやらないをやる方法は、儲かっているものを丸パクリすること!
最近、今井と対談の機会が増えている正田さん。
少し変わった話を聞きたい、ということで今井から、「誰もやってないようなオリジナリティのある事業ってどうやって考えていますか?」と質問を投げかけます。
正田さんは、オリジナリティな事業を思いつくのが苦手だから、儲かっているものを丸パクリする、と語ります。
正田圭:オリジナリティは思いつかない。儲かっているものを見つけて丸パクリする。どこをどう真似するのかが重要で、真似する対象を見つけることに時間をかけている。
今井:真似する対象はどうやって見つけるの?
正田圭:世の中の逆のことをしている人に目をつける。世の中の逆のことをしている人は儲けていることが多い。本やインターネットでその人の情報を調べたりする。まぁ、その人に直接会って話を聞くのが一番かな。
人生のターニングポイントはない。人生は徐々に変わっていく
質疑応答の時間になり、会場から「みなさんの人生のターニングポイントを教えてください」と質問が投げかけられます。
プロ奢ラレヤーさんは、人生のターニングポイントはない、と語ります。今井も、人生はちょっとずつ変わっていくよね、と続けます。
正田圭:自分の人生が変わったなぁと思うのは、23歳のとき事業で失敗とき。その時は売上も良くてのりにのっている状態だったけど、失敗して一文無しになった。それをきっかけに生き方を変えた。浪費生活を辞め、煙草もやめた。一文無しの状態になって二年くらいかけて復活した。一文無しになって、二度とお金のない生活をしたくない、と思った。
今井:ターニングポイントはイラク人質事件だと思う。事件がきっかけで、顔が日本中に知れ渡った。当時は罵声を浴びさせられたり、道端でいきなり殴られたりした。まぁ、人生落ち込みますよね(笑)。
当時は、批判の手紙もたくさんきた。それを全部返信して文通をしていた。最初は「バカ野郎」と手紙を送ってきた人も、文通を続けていくうちに最後は「ありがとう」と返信をくれた。そういう経験が、しんどい思いをしている才能のある子たちを支援していこうと思ったきっかけ。
プロ奢ラレヤー:ないです。そもそも、ターニングポイントはその人が思っているだけ。人生は急に変わらない。人生はちょっとずつ変わっていく。決め手がその場面だっただけかなぁと思う。
だれもやらないをやる、とは何なのか。ゲストからのメッセージ
最後に今井から、「『だれもやならいをやる』について、会場のみなさんにメッセージを送ってほしい」とゲストに投げかけます。
プロ奢ラレヤーさんは、誰もやらないことをやる必要はなくて、自分がやりたいことをやりましょう、と語ります。
正田さんは、なにかやる時に迷ったら世の中の多くの人が思っていることの逆をやろう、とアドバイスを送ります。
プロ奢ラレヤー:だれもやらないことをやる、と言っても、やれと言っているわけではない。だれもやらないことをやる必要はない。やりたいことをやればいい。(このイベントの)タイトルもあんまりよくないんですよ。ビジネスっぽい。やりたいけど、誰もやらないことだから、やりづらいよね。どうする?べつにやってもいいよ、みたいな。やりたいことやりましょう。
正田圭:世の中の心理は逆にあることが多い。迷ったらやらない。暇な時間を確保する。なにかやる時、迷ったら逆をやる。
今井:模索するなら巻き込まれるのもありだと思う。起業に興味があるなら正田さんのサロン(pedia salon)に入ったり、NPOに興味があるならNPO未来ラボに入ってみるとか。自分のやりたいこと、方向性を探すのはできると思う。
イベントレポートは以上になります!
だれもやらないことでポジションを取らないといけない、と考えていたぼくにとって、プロ奢ラレヤーさんの「やりたいけど、誰もやらないことだから、やりづらいよね。どうする? べつにやってもいいよ、みたいな」という言葉が優しくて心に響きました。
では、やりたいことってなんだろう?と思った時、プロ奢ラレヤーさん、正田さんも言っていた、「自分の好きなこと、やりたいことを見つけるには、暇な時間が重要」という言葉がヒントになるような気がしました。
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