「あの人がいたからやってみようと思った」接客は苦手と話す高校生がカレー屋さんで仕事体験
2020年2月16日(日)、大阪府内の定時制高校に通う高校2年生のNさんと nimo alcamo様に仕事体験ツアーに行きました!
仕事体験ツアーは、高校生ひとりひとりの希望や状態に合わせた「働く具体的なイメージを持てる機会」として、パートナー企業の方々と一緒につくる職場見学やインターンシップ企画です。
Nさんの仕事体験ツアー内容
訪問先:nimo alcamo
事業内容:飲食業(カレー店)
実施内容:事業説明、接客・調理体験
「知っている人がいるから行ってみたいと思った」
今回の職場体験先を、カレー屋nimo alcamo様に決めた理由をこのように話していたNさん。店主の古市さんとは、Nさんがいつも運営をサポートしている子ども食堂で数年前に出会っていました。今年の秋、Nさんが通う定時制高校で実施したクレッシェンドで偶然ふたりは再会。以前から仕事体験ツアーのパートナー企業の紹介をしている冊子を読んでいる様子を何度か見ていることがありましたが、会ったことのある古市さんのお店がツアー先であると知り、今回参加しようと思ったそうです。
nimo alcamo様では、事前に参加生徒の不安感やチャレンジ精神を知りたいという思いから、多種多様な業務の中で自分の体験したいことを選べる「体験希望チェックリスト」が用意されています。Nさんはその中で調理の作業にチェックをつけていました。
その後、開店前までは店内の掃除をしました。作業中には、2人が出会った子ども食堂のことが話題に上がり、「今日のことを子ども食堂の人にも伝えたいね」と笑いながら話していました。
「お皿下げますね」「こちらはドリンクです」
営業が始まると、D×Pスタッフは業務の邪魔にならないよう店外に移動し、Nさんは1人で作業をしました。カレーの具材になる野菜を炒めたり、ドリンクを作ったり、食器を洗ったりするなど、主に1人で黙々と取り組める作業を体験しました。
しばらくすると、クレッシェンドに参加したボランティアのIさんがお店に来てくださいました。IさんがNさんに「応援しに来たよ、頑張ってね」と伝えると、笑顔を見せていました。Nさんは事前学習で、過去のアルバイトでの接客経験について「しんどかった」と話していましたが、Iさんがカレーを食べ終えると、「お皿下げますね」「こちらはドリンクです」と声をかけながら、接客をしていました。
「接客はあまりやったことがないから苦手だけど、嫌いではない」
営業が終わった後、閉店後の店内で振り返りを行いました。
ツアー終了後、D×PスタッフがNさんに「何の体験が一番印象に残っている?」と、たずねると「(キッチンの調理補助などの)作業体験」と答えていました。その理由は、「子ども食堂でよくやっている、自分のできることができたから」とのことでした。
また、接客についても「あまりやったことがないから苦手だけど、嫌いではない」という言葉がありました。元々はやる予定ではなかった接客に取り組んだ理由として、「Iさんがいたからやってみようと思った」と話していました。
nimo alcamo様にも話を聞いてみました!
Nさんとは以前別の機会で会ったことがあり、開店前は話しながら作業していましたが、開店してからは集中して体験に取り組みました。少しイレギュラーなこともあって、営業途中にお店のアンケート冊子の作成や、足りない食材の買い出しなど、多くのことをお願いしました。いろんなことを体験してもらいましたが、中でも野菜を調理しながらフライパンの扱いがだんだんうまくなっていく様子には驚きました。
体験前の事前学習で、Nさんは自分の得意なことについて「わからない」と話していました。しかし今回の体験を通して、野菜を炒めたり食器を洗ったりするなど、1人で黙々とする作業が得意であると気づいたようです。ツアー終了後には「他の仕事体験ツアーにも行ってみたい」とも話していました。
今回、「人とのつながり」がNさんの挑戦するきっかけになっていると感じました。というのも、Nさんが今回のツアーに参加しようと決めたのは店主の古市さんのことを知っていたからであり、「得意ではない」と話していた接客をやってみようと思ったのも、ボランティアのIさんがいたからでした。今後も、一人ひとりの高校生に人とつながる機会をひとつでも多く届けていきたいと思います。
高校生の受け入れをしてくださったnimo alcamo様、当日引率をしてくださった先生、関係者のみなさまありがとうございました。